詩集

     子供
インディアン・サマー
走る、走る 子供は走る
はしゃぐ、はしゃぐ 子供ははしゃぐ
一時も落ち着いていられないように見えるけど
珍しいものを見つけると
ハッとして、驚いたように
視線と止めて
指を指し、不思議そうに
母親のほうを見つめる
そして、すぐ忘れてしまったようにまた動き始める
     早朝の霧
雨上がりの秋の早朝の霧
霧にかすむ光
霧にかすむ川
霧にかすむ紅葉
まだ神もまどろむ頃
万象は淡く輝き始める
今日一日の生誕の時
     故郷の川
鶴見川
日本で一番汚いと評判のこの川も
朝日が差せば
その水面は黄金のように美しく輝く
水面に遊ぶ鴨の群れ
飛び跳ねる魚
上空を滑降する鳶やウミネコ
おお、生命のたくましさよ
清く澄んだ水には住めぬこれらの動物に
私は共感を覚える
     古い曲
古い映画音楽や軽音楽を聴いていると
若い頃の思い出が蘇ってきて懐かしい気分になる
幼年期から大学4年までは、
私は幸福な人生を歩んでいた
通学途中の他愛ない友だちとの会話
好きなのに告白できなかった幼い恋
眠くて仕方がなかった授業中
ああ、一曲聴いただけで、様々な情景が蘇ってくる
そんな私も、
世の中の無常を知りながら
永遠や無限なものを
限り在る有限の身で
追いかけてきた人生でもあった
無常ゆえ人は神仏にすがるのだろう
父母もいなくなり、
わが身は寂しくなったが、
神様に出会えた気がする
この年になっても
未知なものに憧れ、追求してきた私の好奇心は
変わることも終わることもない
若い時の思い出は、私の心を浮き立たせ
生きる勇気を再び与えてくれる
神様、あの頃の夢を再び蘇らせてください
できれば、叶えてください
お願いです
     望み
人の喜びがそのまま私の喜びであり
人の幸せがそのまま私の幸せであるように
皮肉も言わず
嫌味も言わず
恨みも言わず
妬みも言わぬ
そんな人間に私はなりたい
人の喜びと幸せに
素直に共感できる
そんな人間に私はなりたい
     喜びが
ああ、喜びが消えていく
幼稚園児であったら最高であったような今日一日
雪が降り
アイロン・ビーズを作った
綺麗なアイロン・ビーズ
でも、今の私には嬉しくない
幼い日であったならどんなに喜んだだろう
喜びと悲しみが
雨と雪に洗われ
喜びだけが流されていく
後に残されたのは
洗い清められた悲しみ
純粋な悲しみ
雪は手のひらに落ち涙に変わる
11月の雪
私の晩年
     感謝
雪の降った翌朝
街の空気は
固く冷たく透き通った水晶
街は太陽の光に眩く輝く
そんな空気の中
僕は自転車をこぐ
冷たい空気を吸いながら
私はふと思った
豊かさは貧しさの中に生まれ
喜びは悲しみの中に生れると
全てを失って得た時間と自由
お金では買えない掛け替えのないもの
与えてこそ得られるもの
失ってこそ得られるもの
それは得られる前には想像もできなかったこと
ああ、この恵みよ
私は神様に感謝します
     樹木
都会の中でも
公園や街路に
樹木は
悟りを開いたお坊さんのように
全くはからいのない姿で
突っ立っている、そして
道行く人々を拝んでいる
私の尊敬する樹木たち
何故人は都会にも
樹木が必要だと思ったのだろう
不思議なことだ
樹木は神聖な森の寺院からやってきた
そのはからいのない悟った姿は修行の賜物
その姿だけで、道行く人々を癒す
見上げるだけで気持ちがよくなる
毎朝、自転車をこぎながら
私は無言で樹木たちに挨拶をする
きっと通じていることだろう
いつも人々を見守ってくれてありがとう
樹木たち、今日もありがとう
街を美しくしてくれてありがとう
     静かな心
時が刻まれた言葉
その言葉ひとつひとつを集めて
想い出が出来上がる
心は言葉でできている
言葉は神になり、
心には神が住む
だから
言葉を磨けば心も綺麗になる
私の心は想い出で一杯
最近は
どんな想い出も私の心を乱すことはない
不思議だな
静かな心
その中に
諦めの彼方に
全ての想い出が
静かに佇んでいる
ああ、心の静けさよ
心の静けさは私を平安へと導く
そして、私は知らぬ間に、また人を愛している
亡くなった人を
周囲の人を
     四季
12月のはじめ
東の空が白々と明るくなる頃
家の前の桜も
輝きを放ち始める
春は花
秋は紅葉
もう冬だ
桜は来年の春には花を咲かせてくれる
私はアンパンを頬張る
昔の味がする
桜の四季
人生の四季
人生の四季に春は二度来ない
人生の冬
最後の季節が
まさに始まろうとしている
そんな気配の夜明け前
私は熱いお茶をすする
昔の味がする
     神の愛
信仰、希望、愛
そのうち最も大切なものは愛
神を愛せよ
隣人を愛せよ
それは
自己犠牲の愛
他者実現の愛
必ずしも自分の幸せに繋がらないが
お互いに愛し合う時
そこに生じる
神の国
     あなた
音楽がなければ
どんなに寂しかろう
本がなければ
どんなに寂しかろう
酒がなければ
どんなに寂しかろう
音楽と本と酒は我が身の避けどころ
ただ、あなたがいない
どこへ行ってしまったのか
一緒にデートをし
ドライブをし
映画を観
食事をしたあなたは
一体どこへ行ってしまったのか
ああ、あなたはいない
一体どこへ行ってしまったのか
ああ、この寂しさを埋めるのは
音楽と本と酒だけ
飴のように伸びた孤独な日が続く
     凍れる12月
凍れる12月の早朝
夢から覚めると
また独りだ
夢の中ではいろいろな人と交わっていたのに
これじゃ、眠って夢を見ていたほうが幸せだ
コーヒーを入れる
熱いコーヒーをすする
体が温まる
昔の懐かしい味がする
しかし、孤独だ
ただ、寂しくも悲しくもない
なにやら、嬉しくもある
こういう時には
昔が思い出される
父母と弟と一家4人で暮らしていた頃が懐かしい
貧しくとも
あの頃は毎日が楽しかった
時々、息ができなくなるほど笑った
父の笑顔
母の笑顔
弟の笑顔
今でも目に浮かぶ
思い出があるかぎり
私は寂しくも悲しくもない
私は思い出と戯れる
ひとりで
静かに
狂人のように
私は思い出と戯れる
     太陽
寒い12月の夜明け
太陽は昇り
闇は光に勝たず
明るい朝が訪れる
光の中を歩もう
今日も行こう
あの公園に
ベンチに坐ろう
枯葉の中に雀たちが戯れる
あの公園で
寒い冬の日に
太陽の暖かさはありがたい
手のひらを太陽にかざす
その暖かさに気持ちが和らぐ
太古
太陽は神だった
太陽は唯一の神だった
太陽は全てのものの上を照らし
地に恵みをもたらす
人々が感謝しなくとも
不平を言わず
太陽は光を注ぎ続ける
ああ、我ら忘恩の徒よ
光の中を歩めることに感謝せよ
太陽の暖かさに感謝せよ
その恵みに感謝せよ
     無常
ちびまる子ちゃんは永遠に小学三年生
サザエさん一家は永遠に楽しい家族
永遠で変わらないものはいいなぁ
マンガじゃなきゃ描けないなぁ
でも、現実は無常なもの
母が死んで
家族はばらばら
母は偉大だった
存在するだけで
家族を繋ぎ止めた
いつまでも生きていて欲しかった
ああ、無常
永遠に変わらぬ世界はないのか
誰か
私を永遠の世界に誘っておくれ
でも無理だろうなぁ
     幸福
幸福になりたい
そう思って
幸福を追いかければ追いかけるほど
幸福は遠のいてしまう
それが幸福というもの
幸福になりたいと思わないとき
人は幸福である
この逆説よ
無欲になり
何も望まず
大いなるものに身をまかせ
心を委ねてごらん
全てを委ねてごらん
その時
既に全てが与えられていることに気づくはず
足りないものは何もないことに気づくはず
感謝の念を覚えるはず
その時
幸福は足元にある
そして、青い鳥を求めない時
幸福は今ここにある
     見聞
目は見えすぎないほうがよい
耳は聞こえすぎないほうがよい
しかし
見なければならない
聞かなくてはならない
そして
沈黙を守らなくてはならない
     昔の思い出
ふと目にした光景が思い出と重なる
自転車に乗る野球服姿の少年
公園のグランドに置き忘れられたサッカーボール
大空に舞い上がる鳩の群れ
風に散る枯葉
川に遊ぶ鴨の群れ
ウミネコの滑空
黄金色の銀杏並木
都会の街路樹
電信柱
風の音
太陽の光
昔あって今も変わらずあるもの
そういうものを見聞きすると
私は昔を思い出す
ふと見たものに私は昔を思い出す
時は思い出を美しくする
私は美しい昔を思い出す
     心の故郷
両親の残したドリス・デイのCD
冬の穏やかに晴れた日に
ひとり部屋にこもって
聴いている
甘美で懐かしい
不思議だ
自分が生れる前の世界が懐かしいとは
自分の知らない世界が懐かしいとは
きっと
これは心の故郷
私も上手に心の故郷を思い出している
こんな日には嬉しくなり
やがては何となく悲しくなる
両親の青春時代に思いを馳せて
何故か懐かしく嬉しく悲しくなる
日が暮れようとしている
甘美に懐かしく嬉しく悲しく寂しく
どこまでも遠い日の心の故郷へ
私は思いを馳せる
     生きる
人生の意味や
人生の目的は
いくつになっても私には分からない
苦しくとも死ぬほどでないから生きている
まだ知りたいことがあるから生きている
衣食住に困らないから生きている
好きな音楽や本があるから生きている
かすかな恋の予感に生きている
そう、それだけ
私は仕方なく生きている
私の楽しみ
お茶を片手に
好物のあんドーナッツを頬張る
じっくりと味わう
香りが口一杯に広がる
意識が口に集中する
思わず無我の境地
ああ、至福の時
生きるために食べるのでなく
私は食べるために生きている
これは本末転倒なのだろうか
私はそうは思わない
生きるためには楽しみが必要
生きることは辛いこと
致し方ないことだ
最近の私は
老い恥を曝しても恥ずかしいとも思わなくなった
とても図々しくなった
若い時よりも図々しくなった
生きるには勇気が必要だ
図々しさが必要だ
若い人たちよ
恥ずかしがらずに
勇気を持って図々しく生きよう
恥ずかしがりやだった私からの助言です
     冬
時間的なものが永遠に出会う季節
それは冬
落葉樹は葉を落とし春に備える
枯れ果てた木々
人生の冬を迎えた老人も
冬の木々のように枯れる
可能性も失せ
欲もなくなり
望みも抱かず
諦めの境地で周囲をそれとなく眺め
ほとんど全ては自分と関係なかったのだと悟り
少し愕然とする
だから
老人にとって孤独は心地よい
たとえ未来はないにせよ
関係ない周囲と関わりあわずに
美しい思い出と向かい合えるのだから
死を覚悟していれば
明日の思い煩いもないのだから
老人にとって
冬の日は
穏やかに思い出と共に過ぎてゆく
それが最後に与えられた恵みであるかの如く
穏やかに過ぎてゆく
冬の日の午後の夢のように
     母の言葉
あの日母は言った
「人を恨むんじゃないよ」
それほど悔しい思いをした
それほど屈辱的な思いをした
でも、今なら、
母の言葉を素直に受け取られる気がする
若き日に私も愚かだった
しかし
嫌な思い出はほとんど忘れてしまった
昨夜の強い南風のお陰で
今朝は季節はずれの暖かさだ
そんな中を
私はいつものように自転車をこぐ
ふと浮かんでくるメロディー
今日は調子がよい
心も軽やか
マンハッタン
映画「愛情物語」の副主題歌
ロマンティックな曲だ
甘いメロディーに
私もロマンティックな夢を見る
私は過去を忘れる
それは
幸せな一日の始まり
神様からの贈り物
     希望
不幸や苦しみにあっても
忍耐すれば
品性が磨かれ
やがて
希望が生れる
この希望は聖霊によるもので
神の愛が心に注がれて生じる
だから
決して失望に終わることはない
不幸や苦しみにあっても落胆することはない
やがて神の愛によって希望に変わるのだから
だから
不幸や苦しみにあっても喜んでいよう
全てを神の愛に委ねよう
希望を持って生きられるよう忍耐して祈ろう
     些細なこと
日々触れる些細なこと
風のささやき
光の戯れ
青い空
木々の緑
朝焼けの空の色
風と雲の戯れ
風と光と木の葉のハーモニー
川のせせらぎ
これらがなんと喜ばしいことか
日常との些細な触れ合いは
何も望まぬ私にも
かたじけなく
思いもかけない贈り物
神様からのプレゼント
日々の恵みだ
これらに触れると
心も軽く
心の奥底に流れるメロディーが浮かんでくる
昨日はクリスマス
世の光の誕生日
クリスマスは終わったけれど
明るい光の印象はそのまま
日々の生活もそのまま
心は歌う
いつもクリスマスソングを
日々の些細なことに感謝して
明日も良い日でありますように
心にメロディーが溢れますように
     幸不幸
自分は不幸に思えても
落胆してはいけない
希望は失ってはいけない
今の境遇が不幸と思っても
それは
神のみこころであり
神の最善のはからいであり
人には知ることのできぬ理由がある
それを引き受け
それに信頼しよう
神よ、私に知恵をお与え下さい
不幸あっての幸福であり
幸福あっての不幸であり
不幸に至らない幸福もなく
幸福に至らない不幸もない
何事も移り変わらないものはない
不幸は忍耐を生み
忍耐は練られた品性をはぐくみ
練られた品性は幸福を生む
神は時として人に試練を与えられる
しかし、それは耐えられないほどのものでない
必ず、脱出口も備えてくださる
それを忘れてはならない
神は愛であるから
     移り変わり
自然は移り変わるから美しい
散り急ぐ桜
落葉樹の葉
人間も自然の一部
幼年期から老年期へと
移り変わりは悲しいが
受け入れなくてはならない
それはいたしかたないこと
やがて訪れるであろう
人生の終り
その時
私はどう思うであろう
何を思うであろう
できれば有終の美を飾りたい
桜の花の如く
潔く散りたい
今から覚悟を決めておきたい
死を自覚した人生は、案外
充実して楽しいのかもしれない
そう思うと、少し慰められる
あぁ、空しき人生に幸あれ
     他者
世界を理解しつくそうという
私の意欲はどこから来たのか
この一種の支配欲
悪しき同一哲学
若い頃、
それは成功しそうに思えた
まだ、自分の世界も狭い
未熟な頃だった
しかし、
世界は他者であった
全てが他者であった
世界が広がるにつれ
全てが自分とは異なった固有性をもって現れた
たとえ、はじめのうちは親密に思えたにしても
突き詰めてみて現れてくるものは他者性であった
私もいい歳になった
もう時間がない
諦めるしかない
世界はあまりに広い
どうしたらよいか
だから
今はものごとをありのままに見るようになった
無心で見るようになった
否定もせず肯定もせず
ありのままに
解釈もせず
理解しようとさえせず
すると
あらゆるものが親しげに
懐かしく思えるようになった
もともと世界はそのまま見えるようなものと思われ
故郷に帰ってきた気がした
私はホッとして、一息ついた
そして気が楽になった
     コーヒー
寒い冬の日に
暖かいものを飲みたくて
コーヒーを入れる
熱いコーヒーをすする
暖かいなぁ
ありがたいなぁ
生きていて良かったなぁ
ホッと一息つくと
昔のことが思い出される
母もコーヒーが好きだった
どんな会話をしたか
細かいことは思い出せないけど
その当時の暖かい雰囲気が
コーヒーの味とともに
蘇ってくる
母がまだ生きていて
隣の部屋から
出てきそうな
そんな冬の午後のひと時
孤独でも
かすかな幸福を感じる
母は私の中に
まだ生きている
そう感じる
「公康!」
そう呼ぶ母の声が聞こえる気がする
そんな穏やかな冬の午後
静かに日が暮れようとしている
     雪と数学
一月の厳しい寒さの朝
雪がちらほらと降り始める
ゆっくりと
輪を描きながら落ちてくる
時間も凍りつきそうな中
私は家にこもって
数学の本を読み始める
数学の真理は永遠に変わらない
まるで時が止まったかのように
それとも雪が時を止めたのか
数学か
若き日に果たせなかった夢を
年老いてから果たそうと
また夢を見る冬の一日が始まる
数学少年だった私の夢
それがどんなだったか忘れた頃に
また、私は夢を見始める
数学は永遠の表象
私の憧れ
数式は美しいと言ったら
あの人は笑っていた
そんな記憶が蘇ってくる
雪の降る冬の日
     夢
季節はずれの暖かい冬の日に
私はいつものように自転車をこぐ
私は知っている
いつもメロディーが自分にも気づかれぬように心の奥底に流れていると
それは、いつか聞いたことのあるメロディー
思い出が結びついたメロディー
調子がよいとき
ふとしたきっかけでそうしたメロディーが心の表面に浮かんでくる
しばらく忘れていたメロディーは決して消えることはなかった
私は知った
メロディーと同じように
夢と希望も失われてはいない
心の中から聞こえてくるメロディーを口ずさみながら
私は自転車をこぐ
うきうきとして自転車をこぐ
このままどこまでも自転車を漕いでいきたい
そんな思いの暖かい冬の日
     雨の日
家に閉じこもっているしかない雨の日
母親に叱られた子供のように
部屋で本を読む
子供のように
外へ出たいと疼く心
家にはだれもいないのだから
本を閉じ
思い出に耽ると
懐かしい母の面影が浮かんでくる
ひとりで碁を打つ父の姿が浮かんでくる
それはついこの間のことのような気がする
雨に霞む思い出の日々
しばらくすると
なぜか心は晴れ上がり
私は幸せな気分になった
     努力
私は日々努力する
しかし、何かが欠けている
何のために?
やはり若いときとは違う
若いときの努力には
目的があった
果報を伴った
そう思うとき
私は努力を止め
力を抜き
ヘルダーリンの詩の喜びに浸る
そして黙想し
神が私を強くしてくれることを願う
生きる勇気を与え給え
生きる目的を与え給え
主よ、私の望みはこんなものです
老いて幸あることのなんと難しいことか
せめて知ることの喜びは失いたくない
そう思いながら今日も本を読む
音楽を聴く
あぁ、長い一日が終わろうとしている
年を重ねると一日は長いのに一年は短い
不思議なことだ
     人の一生
幼年期の子供は可愛い
愛され育ててもらうために
青年期の男女は美しい
お互いに愛し合うために
中年期の人々は逞しい
家族を養うために
そして老年期
人は穏やかになり
静かに世の中を見つめる
なすべきことを終え
心は意外と晴れやかだ
人生の意味を問うこともなく
時は静かに流れてゆく
悔ゆる思いも捨て
執着からも離れ
生きてきたという事実だけを残して
人は最後まで迷うのかもしれないにしても
死ぬまで生きてゆく
それが人の一生か
荒井公康
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